中学受験&高校受験「偏差値変換表」

最近、次のような定説(?)を複数の場所で見聞きしました。

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高校と中学の両方で募集がある私立学校の場合、一般に 高校受験の偏差値=中学受験の偏差値+15くらい になる。
よって、中学受験するほうがお得! 
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この話の真偽について検証してみました。
問題を単純化するために、いくつかの前提を決めておきます。


【前提1】日本のすべての子どもは高校に進学すると考える
最終学歴が中卒の人も存在しますが、いまの15歳人口の中で中卒は1%未満と言われていますので、統計上無視できると考えます。

【前提2】日本のすべての高校生のうち、成績上位 50% が大学に進学すると考える
直近の文科省の統計によると、大学進学率は約53%となっていますが、ここでは計算を単純化するために大学進学率を50%とします。
成績上位であっても、芸術やお笑いを目指すために大学に進学しないパターンはあるでしょうが、統計上無視できると考えます。

【前提3】 大学の成績下位15%(河合塾全統偏差値40未満)を「Fラン」と定義する
本来のBF(ボーダーフリー)ランクは偏差値35未満と定義されています。が、BFは定員割れなどの理由から本当に名前を書くだけで入れてしまうレベルなので、事実上のFラン(ほぼノー勉で入れるライン)はもう少し上と考えます。

【前提4】 中学受験者(中学受験を考える層)は「非Fラン」の大学受験を前提としている
結果として私立一貫校を出て最終学歴が高卒(または中退)になる子もいるでしょうが、統計上無視できると考えます。
「大学はFランでよい」と割り切るなら、わざわざ中学受験をするメリットがほぼ無いと考えられるので、中学受験者は最低限「非Fラン(大学入試偏差値40以上)」に入るものと考えます。


以上の前提から、「高校受験者」と「中学受験者」を、それぞれ次のように定義します。

高校受験者 = 日本の子ども全体

中学受験者 = 日本の子どもの成績上位50%の中の、さらに上位85%で構成された部分集合
      = 日本の子どもの成績上位約40%で構成された部分集合

正確に言うと中受で私立(または国立等)に行く子は日本全体の5~6%程度ですが、彼らは成績上位40%の集合に偏りなく散らばっていると考えます。
高校受験者と中学受験者の集合の交わりをどう考えるかという問題もありますが、全体への影響はほぼ無いと考えられるので、細かい話は無視します。

さて、上記の前提にもとづいて、正規分布を仮定した偏差値を変換してみた結果を下記に示します。
(私は低学歴かつ文系のため、計算に間違い等があるかもしれません。ミスがあればご指摘をお願いします)


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中受の偏差値 70(上位2%) = 高受の偏差値 74(上位0.8%)→ 高=中+4

中受の偏差値 65(上位6%) = 高受の偏差値 70(上位2.5%)→ 高=中+5

中受の偏差値 60(上位15%) = 高受の偏差値 66(上位6%)→ 高=中+6

中受の偏差値 55(上位30%) = 高受の偏差値 62(上位12%)→ 高=中+7

中受の偏差値 50(上位50%) = 高受の偏差値 59(上位20%)→ 高=中+9

中受の偏差値 45(上位70%) = 高受の偏差値 56(上位28%)→ 高=中+11

中受の偏差値 40(上位85%) = 高受の偏差値 54(上位34%)→ 高=中+14

中受の偏差値 35(上位94%) = 高受の偏差値 53(上位37%)→ 高=中+18

中受の偏差値 30(上位98%) = 高受の偏差値 53(上位39%)→ 高=中+23
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上記はあくまで数値を単純に変換しただけです。

これがどれだけ実態に合っているのか、いくつかの例を取り上げて検証してみましょう。
なお、教育開発出版の学力診断テスト(学診)は、早稲田アカデミーなどで採用されているテストですが、学力上位2~3割(特訓クラス)の子どもたちは、この学診を受験しません。(彼らは同社のアドバンス模試を受験するため)
よって参考までに、「アドバンス模試の受験者全員が学診成績上位に割り込んだと仮定した場合の偏差値」をあわせて掲載しました。


● 桐朋中学 60(四谷大塚)
  ↓
● 桐朋高校 66(単純変換値)

<実態>
桐朋高校 69(教育開発出版学診)
桐朋高校 66(市進)
桐朋高校 57(教育開発出版学診+アドバンス模試20%加算)


● 日大第二中学 43(四谷大塚)
  ↓
● 日大第二高校 55(単純変換値)

<実態>
日大第二高校 64(教育開発出版学診)
日大第二高校 62(市進)
日大第二高校 55(教育開発出版学診+アドバンス模試20%加算)


● 日大第一中学 38(四谷大塚)
  ↓
● 日大第一高校 54(単純変換値)

<実態>
日大第一高校 58(教育開発出版学診)
日大第一高校 57(市進)
日大第一高校 52(教育開発出版学診+アドバンス模試20%加算)


以上、何も考えず単純計算しただけですが、いかがでしょうか?
わりといい線いってると思います。
この結果を見る限り、「高校と中学の両方で募集がある私立学校の場合、中学受験するほうがお得!」という説は個人的に賛同しかねます(笑)









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